「お葬式。」

急な訃報。

喪服だ数珠だ、

お寺の場所が分からん等と

朝から慌ただしい。

 

練馬から外環→東北道へ。

3時間もあれば着くだろう、

みちみちカミさんから

先方の状況などを聞く。

亡くなったのは

カミさん方の親戚の住職殿。

(住職殿の葬儀とはどんな感じなのだろう。)

 

お葬式は悲しいものなのだが

普段なかなか会えない、

会わない人達が

一堂に会すこと。

それに全く実感の無いであろう子供達が

庭で「わーい!」と飛び回ったり

お菓子を頬張ったりするのを見ると

何となくホッとしてしまう。

箍が外れると

哀しみが堰を切って飛び出してしまうかもしれない。

だから少しでも楽しい雰囲気に身を置いて置きたいのだと思う。

 

そして告別式。

お経をあげる住職が40人程。

こんな光景を見られるのは

おそらく一生に一度だろう。

お香の匂いが立ちこめる中

読経が続く。

地の底から湧いて来るような力強さに

何かしら安心感を覚える。

無宗教な自分だけれど

心が鎮まりとても落ち着く。

お経って不思議だ。

 

斎場で火葬の後、

お骨を収める。

(うわあ・・・。)

何と立派なお骨なんだろう。

とても70代とは思えない。

今までお骨を骨壺に収めた事は

何度か経験あるが

その度に母親のことを思い出してしまう。

 

母親は末期ガンで亡くなったので

骨は形を留めず

もう粉くらいしか残っていなかった。

人を蝕む病の怖さ、非情さ

そして火葬場の人の

残った骨(灰)をゴミのように掃くさま、

その無関心さ、非情さが

哀しみとやりきれなさを一層深いものにした。

(もちろん、悪意があっての事ではないが

もう少し厚意を以て接して欲しかった。

あなたにとっては数多い仕事の内の一回なのだろうけれど

自分のとっては最初で最後の大切な一回なのだから。)

 

そんないろいろな事が

フラッシュバックの様に

頭の中に一杯に広がった。

嗚咽がこみ上げて来るのを

ぐっと押し戻して

大きく深呼吸。

手と脚がわずかに震えているのは

頭では

(もう何ともない、大丈夫。)

と思っていても

身体はそうでないからなのだろう。

 

告別式は無事終了。

本葬は後日行われるとの事だが

あいにくその頃はパリに行っている。

今日来れてよかった。

 

帰り道。

連日撮影だった事もあり

目が疲れたので

サービスエリアでひと休み。

「蓮田そば」

を食べる。

あったかいそばはホッとするなあ。

ちくわもおっきくて美味しい♪

(ちくわ好き。)

「あれ、七味入れなかったの?美味しいよ~♪」

(しまった!)

 

レモン牛乳を二個買って出発。

高速に戻ると

辺りはもう真っ暗。

家路に急ぐ車が

吸い込まれる様に流れている。

皆早く家に帰りたいのだろう、

スピードが行きより1~2割は早い。

 

「今日は一日お疲れさま。」

「そんなでもないよ♪お疲れさまな。」

「帰って何食べよっか?」

「まだ食べんの。」

笑。

「昨日のって大丈夫かな?」

「煮物は全然余裕だろ。」

「じゃ海老は?」

「海老はやめといと方がいーな。」

笑。