「S.G.G.K」

あ~、疲れた。

すっかり遅くなったよ、早くかーえろ♪

家の近所までカミさんとメールしてたら

「!!!」

とカミさんから。

 

何と超ビッグな

『G』

が家の中に入り込んでいる!

ウチは1階に入口があって、階段で上がってく形式。

その階段の途中にGが!!!

 

先日の「蛾」に続き、またもや不法侵入!

家に着く。

「ど、どこにいる?」

「あ、あそこ!」

(うわあ・・・でか。)

黒々とテカテカとした、その威風堂々とした姿。

まさに

「S.G.G.K」

エスジージーケー。

(分からない人はキャプテン翼参照。)

 

しかしここでは

「スーパーグレートゴ○ブリキケン」

と訳させて頂こう。

カミさんの右手には紙切れ。

左手にはコップ。

以前、オレが捕縛した時の武器。

しかし、

この時期の尋常ならぬ動きは

もう人間では捉える事は出来ない。

 

「のあーーーっ!」

下に飛んで来たあ!!!

と、とにかく今は武器が必要だ。

丸腰じゃ勝てねえ。

階段を駆け上がりハンガーを二本。

片方にはガムテープをりゃんめんに。

もう片方にはプラコップを装填。

二刀流だあ!

 

カミさんの旧姓は宮本だから

武蔵が降りて来るかも知れない!

撮影用のアイランプも投入。

絶対逃がさねえ!

かかってきやがれ!!

(あ、かかってこられるのはナシ。)

 

しかし

Gの動きは凄まじい。

追っても追っても逃げられる。

帰って来てクタクタだけど

(決して逃がしてはならない。)

そう、逃がしてはならぬのだ。

 

気温の暑さとアイランの熱で

もうサウナ状態。

汗が床にぼたぼた垂れる。

瞬きが許されない状況で

汗が目に・・・。

「あっ!」

その瞬間、

下駄箱に逃げ込まれた!

ま、マズい!!

 

スニーカーを取っては後ろに投げ

とっては投げ。

後ろにはスニーカーの山。

「このやろお、絶対逃がさねえーーーー!!!!!」

四つん這いで、汗はダラダラ。

もう倒れそう。

でも、ここは根比べだ。

引いたら負け。

 

そして

最終局面。

Gが湿気対策用の炭のハコに逃げ込んだ。

「クリアファイル持って来て!!!」

「ク、クリアファイルね!!!」

「急いでっ!!!」

はあ

はあ

はあ

ここで逃がす訳にはいかねえ。

はあ

はあ

はあ

やるしかねえ。

 

(今だっ!)

しゅたっ!とクリアファイルでフタ。

「ガムテープ取ってっ!!!」

拘束完了。

・・・終わった。

全てが。

 

周りにはスニーカーの残骸が・・・。

二人はオレの買って来た

井筒ワインで祝杯を挙げたのであった。

完。