「入院してました。その2『病名・扁桃周囲膿瘍』」

術後、病室に車いすで連れて行ってもらう。

(入院は約10年前の声帯ポリープ以来か・・・。)

 

とにかく今は何も考えられない。

(ああ、デニムのままだと眠れないかもな・・・。)

妻にLINEする。

 

「たんたん、病院に預けてから行くね。」

あ、そうか

たんたんの圧迫排尿と排便が出来なくなるんだ。

そこまで気が回ってないとは

我ながらかなり余裕が無い。

 

術後、患部の痛みは和らいだが

病気そのものがやっかいな奴だった。

 

病名は

「扁桃周囲膿瘍」

扁桃炎をこじらせるとなる病気で

患部に膿が発生、悪さをする。

 

通常、

扁桃周囲膿瘍の重篤化はこの順。

1、局部麻酔後、注射器で膿を抽出。
2、局部麻酔後、扁桃部切開、膿を出す。
3、膿が頸部まで降りてしまっていたら、全身麻酔・頸部切開。

ここまでならギリギリセーフ。

膿が胸部まで降りてしまい、血液中に膿が廻ったら

命そのものが危険な状態に。

(生存率50%と言われた。)

再発率が高いのも怖いところ。

どうやら自分は

2〜3の間くらいらしい。

 

「とにかく安静、睡眠をしっかり摂って下さい。」

(だよなあ・・・。)

確かに丸二日寝てない。

とにかくゆっくり寝よう・・・zzz

 

・・・zzz

 

「あ!もしもし〜」

 

(・・・ん?)

誰か電話・・・している・・・のかな?

 

普通に通話している声が聞こえる。

ちなみにこの病室は大部屋。

個室がいいとか言う前に

そもそもこの部屋しか空いてなかった。

(この病院は病室内電話OKなのか、珍しいな・・・。)

 

起き上がって入院規則を見る・・・。

(OKな訳ないか・・・

ふぅ、ここは看護師さんにお任せしよう・・・。)

 

結局、

消灯後になっても通話は続く。

大部屋=複数の患者

或る程度の事は想定範囲だが

ルール違反は困る。

眠りにつけたのは朝方になってからだった。