「ステップアップして初めて分かること。(前編)」

美容師時代の話。

自分がmod’s hairにいた頃、

スタッフは仕事内容でランク分けされていた。

シャンプーまでが名札はピンク。

パーマまでがイエロー。

ブローまでがグリーン。

その後は技術者だ。

ランク分けは全てが試験制だった。

美容師のキャリアが何年あろうと

他では店長であろうと

入店当初は掃除しかさせてもらえない。

もちろん、年齢も一切関係ない。

 

ちなみに自分は既に美容経験があったので

インターンではなく中間生として入った。

自分と同じ日に入った他で10年店長をやってた人は

初日のお昼休みに帰ってしまった。

「覚悟してきたけれど、やっぱりダメでした。」

 

入店後はまずシャンプーの試験を受ける事になる。

次はパーマの試験。

7段階あった。

(これがなかなか受からない。大体皆、ここで足踏み状態になる。)

その後はブロー。

ブローは5段階。

次がカット。

カットは課題が試験毎に異なるが

パリのmod’s hairで考案されたヘアスタイル全部

切れる様にならなければならない。

(各スタイルには名前が付いていて、毎年増えて行く。)

アイロンとカラーはブローに受かった後ならいつでも受けてよい。

 

閉店後の練習で

当番の技術者に練習課題をモデルで実際やって見せ、

『可』をいくつか貯める事で

試験を受ける資格が得られる。

ちなみに、『可』とは

5点満点で4.5点以上を言う。

それ以下は『不可。』となる。

いくつ貯めるかはインターンと中間生で異なり、

試験のランクでも異なる。

中間生の方が少なくて済む。

(既に美容経験がある為。自分もそうだった。)

 

仲の良い技術者が当番の時は

『可』がもらい易いかも。と思われがちだったが

試験の時、試験内容がおそまつだと

『可』を与えた技術者にも言及される。

「何故、この程度で『可』を与えたのか。」

と。

だから容赦なく『不可』が与えられる。

 

ちなみに試験官は各店の店長。

(青山、ラフォーレ、プランタン、ジュニアの計4人。)

怖くない人なんて一人もいない。

皆超厳しく、超怖い。笑

緊張のあまり実力が出せず、試験に落ちる人も少なくなかった。

 

試験日は決まっていて

月に2回。

その日までに試験を受ける資格が得られる『可』を集めなければ

試験は受けられない。

また、練習も試験もモデルで受ける。

そのモデルがなかなか見つからない。

いや、モデルは見つかるんだけど

試験を受けるには

その課題であるパリのヘアスタイルでないと

受けられない。

 

つまり、どの試験でも

その課題のヘアスタイルに切っておかないとダメなのだ。

ヘアスタイルが課題通りでないとその時点で失格。

でも、モデルさんにそのヘアスタイルを強要する訳にも行かない。

「ジョギング。」

ってヘアスタイルがあるんだけど

そんなヘアスタイルしてる人いねーよ

って位難関で、皆ここでつまづいてた。

試験を受けるのは強制ではないが、

試験に受からなければ、

いつまで経ってもランクは挙がらず

自分の後から入って来た年下のスタッフに抜かれて

アゴでこき使われると言う現実が待っている。

日常でも仕事を頼まれなくなり

次第に居場所がなくなって行く。

皆、自信の塊なので

ここで気持ちが折れて辞めて行く人も多い。

 

書いているウチにいろいろ思い出して

書きたい事の前フリがこんなに長くなってしまった。

続きはまた明日。