オルセー美術館展@国立新美術館。
以前、Parisに行った時に
オルセーでは結構見逃してしまった絵があったので、
今回は見逃しの無い様にしなくては。
展示が著名画家ばかりと言っても、
当然のごとく、観る人には個々に趣味趣向がある。
Parisのオルセーやルーヴルの時と同じで、
興味が湧かないとぼ〜っと観てしまう。
ところが、
ブグローの”ダンテとウェルギウス”になった途端、
テンション↑↑。
絵画でも写真でも、コントラストが強いのが大好きなので
(おお!)
急にやる気が出て来た。笑
それでは、今回のお気に入りを紹介。
『ブグロー ”ダンテとウェルギウス”』
地獄に堕ちて争う罪人。
(左端のマントがウェルギウス、赤い帽子がダンテ。)
ヒザの入り具合も気になるけど笑、
コントラストが効いててまさに自分好み。
(自分が撮影する時もコントラストをつけるが好きなので。)
25歳でこの絵が描けるなんて、凄いを通り過ぎている。
『モネ “かささぎ”』
雪が積もっている時、影が青みがかっている所がとてもいい。
雪国出身ならでは分かることなんだけど、確かに”青い”のだ。
風景画はあまり興味が無いのだけれど、これはとても心に遺る絵だった。
『ルノワール ”アルトマンの肖像”』
何枚かの写実絵画の隣に展示してたんだけれど、
突出して素敵だった。
自分が写真を撮る時も、写実ではなく、
こういう雰囲気を出す事に一番重きを置いている。
このタッチ、ニュアンス、素晴らしい。
『モネ ”展示番号70番”』
モネが描いた何枚かの内に
妻のカミーユが描かれてるんだけど、
この作品はとても不思議な感じがして
或る意味、これが一番印象に残ったかも知れない。
展示番号は70番、題名は伏せておく。
是非現物を観て欲しい。
これだけ評価されている作品達でも、
発表当初は
「筆のタッチが出ていて全然良くない。」
等の強い批判があった物もあるらしい。
いつも思うのだけれど、
そもそも芸術に
「これはこうでないといけない。」
と言う”ひな形”がある事自体、おかしな気がする。
もちろん、
〜派とか、〜流とかには何かしらのルールがあるかも知れないが、
それはその中だけで論じればいい事。
絵でも写真でも何でも、
”芸術”と呼ばれる物にそういう次元の話はして欲しく無い。
ああ、
そういう意味で大事な一枚を忘れてた。
それは、
『マネの”アスパラガス”。』
もの凄く小さなキャンパスに1本のアスパラガスが描いてある。
マネは一束のアスパラガスの絵を800フランで売ったのだが、
買い主はその絵を大層気に入り、1000フラン送って来た。
そこでマネは
「あなたのアスパラガスの束から、1本抜け落ちていました。」
と、改めてこの絵を描いて贈った。
ああ、
何と言うウィットに富んでいて
尚かつ、余裕のあるリアクションなんだろう。
絵だけでなく、こう言うマインドこそ総じて芸術なんだと思う。
あと、
音声ガイド(オススメ♪)で聞いた話で
ドガは後年、写真を撮る事が多くなったそうなんだけど、
構図にも影響しているのかなあ。
画家達の構図には特筆すべき所があるけれど
ドガはどんな写真を撮ったのだろう。
興味は尽きない。
今回の展示、
どっちかって言うとカミさんがノリノリだったんだけれど、
自分的にも凄く勉強にもなったし、愉しかった!
国立新美術館は初めてだったんだけど、
建物そのものは近代的な感じな割には展示場内はもの凄くシンプル。
シンプル過ぎて(まさかの仮設??)と思わせる程。
たぶん、多種多様な展示が行われるだろうから
出来るだけシンプルにしたんだと思うけれど、
もう少し重厚な作りでもいい気がした。
建物の内側は近代っぽくていいんだけど、展示場内は?と言う感じ。
平日の割にはまあまあ混んでたけど、
全体的にマナーが良く、ストレスなく観る事が出来た。
いずれにしろ、
土日祝は混んでると思うので、行くならやっぱり平日だなーと思った。
来年、2月には『ルーヴル美術館展』がやって来ます!
何故か殆どの人にスルーされていた左側一番最後の一枚、クレマンソー。
もっと観てあげてーっ!