今年はどこに行っても
「就職。」
絡みの話を聞く。
先日もキャリアカウンセラーをしている方と話す機会があった。
その方は、いろいろな大学で講演されているのだが
一生懸命やっているのに内定が取れないと言う事で
皆、自信を失っているとの事。
また、就職浪人で苦労している先輩達を見ているせいもあり
「新卒しか採用されない。」
新卒神話を信じて疑わないと言う。
新卒に拘ってわざと留年する人までいるとのこと。
「一生懸命やれば結果がついてくる。何とかなる。」
と言うのは日本の美学のひとつでもあるが
一生懸命やっても結果が出ない事は
社会に出れば日常茶飯事、よくある話だ。
それを今、就活で悩みに悩んでいる人達に
理解してもらうのはなかなか難しいらしい。
そんな就職難の昨今。
結果的に一番就職出来る確立が高いのが
実は
「バイト。」
だと言う。
(契約社員もアリ。)
雇う側にしたら、
バイトしていて「お♪この人いいな。」と思った人を
社員にしたいと思うのは必定。
全くのゼロから面接→試用期間で選ぶより
仕事ぶりや人柄もある程度分かっている中から
戦力になる人を選んだ方が確実と言う事だ。
今、企業側は「確実」な人材が欲しがっている。
だから、今は以前よく聞かれた
「リクルーター。」
も復活しているのだと言う。
自分の周りの30代の転職や再就職があっさりと決まっているのは
本人のキャリア、スキルもあると思うが
雇う側の需要とマッチしているのだと思う。
就職が決まっていない人達は
口を揃えてバイトをするのは嫌だと言うそうだ。
やはり、バイトや契約社員をしている内に
他の人が先んじて決まってしまうのが怖いと言う。
「怖い」といえば、
今の20代の人達は「起業」には興味が無いらしい。
とにかく「安定」を求めていると言う。
海外留学が激減しているのはその為。
つまり、海外に行ってるヒマがあったら
国内で就職を決めたいらしい。
勿体ない話だ。
「安定」といえば、
先日、友人が大学で講師を努めた時のこと。
大学生の最大の関心事である就職の話を聞くと
皆、一様に「大丈夫です♪」と言う。
(この就職難に余裕あるなあ。)
と思って更に聞いてみると、皆
『公務員試験を受けますので。』
との事。
現在は、公務員試験に受かっても就職率は100%ではない上に
(現在は以前と比べて、比べ物にならない位低いと言う。)
安定を求めて公務員試験を受ける人が急増しているとの事。
つまり、受かっても就職出来ない可能性が高いのに
分母だけ増えて行くと言う構図になっている。
もちろん、前述の人達は受かる事自体は問題無くいけると自信があり、
就職出来ないとは微塵とも思っていないとの事。
その自信がイコール就職になっている所も凄い。
まあ、ここまで頭の良い大学だと
公務員試験位は朝飯前なのかも知れない。
美容専門卒→美容師→ヘアメイク、そしてフォトグラファー。
大学とは無縁だった自分には
想像もつかない世界だ。
自分らの業界も似たり寄ったりで
「ヘアメイク」の業界も就職難だ。
(最近、人の紹介で相談を受ける事が多くなった。)
話を聞くと
「ファッションの仕事がしたい。」
と言う夢を持ったコが殆ど。
フリーで頑張ると言う事も出来るが
これだけヘアメイクの人口、
そしてヘアメイク志望者が多い中で
突出するのは至難の業だ。
一番確実なのは
「ファッションの仕事をしている人のアシスタントになる。」
より確実なのは
「そういう仕事をしている事務所に入る。」
そういう事務所に入る事が出来て
頑張る事が出来れば、ほぼ夢は叶うと思う。
もちろん、門は激狭の超難関だ。
ここで必須なのが
「美容師免許。」
(プラス美容師経験もあるといい。)
これは、どの事務所も100%だと思う。
ここで問題なのが
今、自分が相談を受けているコ達のほとんどの悩みでもある
「では、メイク学校卒だけの人はどうしたらいいのか?」
可能性はゼロとは言わないが
穫る側が要美容師免許と銘打った時点て
ゼロと言っていい。
だから、自分は美容師免許を取る事を勧めている。
(美容師として働く事も。)
無いよりあった方がいいのは間違いない。
美容学校の2年を長いと思った時点で
結局出遅れてしまう。
「急がば回れ」だ。
自分も美容師だったから分かるのだが
美容師として何百人、何千人の髪を触って来ると
髪質、髪のクセが分かるようになる。
髪質や髪のクセが分かると言う事は
ヘアアレンジの時に必須になる。
この人は巻いたらすぐとれそうだなとか
この人は濡らしたらこういうクセが出るなとか
そういう事が分かるのが美容師でありヘアメイク。
特にヘアメイクは時間制限のある現場が多い為、
そういうジャッジが出来なければならない。
また、髪を切ると言うシチュエーションも
ヘアメイクをやっていればよくある話。
「出来ません。」
より
「はい♪」
の方がいいのは言うまでもない。
プラス接客が勉強出来ていれば
ヘアメイクになってもスタッフを始め、
モデル、タレント、ミュージシャンとの接し方も自ずと分かるだろう。
全て含め「要美容師免許」なのだ。
また、メイク学校は就職を斡旋出来る訳ではないので
卒業後、行くアテもなく宙ぶらりんになるコがほとんど。
もし、あったとしても
ブライダル関係やテレビ関係位だと思うが
毎年何人も入れる枠はない。
スタッフが辞めた時の補充とか業務拡張の時くらいだろう。
おまけに無給の時期(試用期間)もあるので
それも乗り越えなくてはならない。
結局、夜の仕事系のヘアをやるか
そのままヘアメイクにはならずに終わる。
と言う人がもの凄く多い。
(それを逆手にとって夜の仕事系から起業を考えているコもいる。)
もちろん、メイク学校がよくないと言う事ではなく
それだけで就職を安易に考えてはいけないと言う事。
大学もそうだけれど
学校に行くだけじゃダメな時代なのだ。
推参ながら
いつも自分がアドバイスしている事。
それは
「焦らない事。」
「周りと比べない事。」
経験上、焦って良かった時ってトイレ位だ。
焦っても良い結果は絶対に得られない。
これは断言してもいい。
あと、
周りと比べない事。
これは、何の為に人と比べるのか
比べてどうしたいのか逆に聞きたい。
比べても何も起こらない。
人生では
必ず、誰にでも、何回か、
「頑張り時。」
がやって来る。
今がその時。
結果はすぐに出ないかも知れないが
「糧」
になるのは間違いない。
糧は人生で絶対的に必要なもの。
手に入れておいて損はない。
焦らず自分をしっかり持って頑張ろう。